小池都知事への8つの公開質問を読む~Q1:あなたは、オリンピック開催の支障にならないよう、PCR検査を抑制したのではありませんか?

2020年07月02日

7月1日の小池都知事への8つの公開質問は、宇都宮さんの質問でありますが、私たちも知りたい質問でもあるので、読んでみました。質問1には3つの段落があります。

「相談件数と検査数の推移を示すグラフを見てください。これを見ると、3月24日のオリンピックの延期が決定される前の段階で、帰国者・接触者相談センターへの相談件数が激増している(これは保健所に電話がつながった件数であり、実際には電話が繋がらなかったものも少なくないとされています)。にもかかわらず、この時期には検査は全く増えていませんでした。」

第1段落:相談件数と検査数の推移についてです。相談件数は2月中旬から3月1日まで急増し、3月2日から15日ころまで横ばいとなり、26日にかけて減少し、緊急事態宣言が発令された4月7日をピークに増加して、その後減少しています。しかし、検査数は週半ばに多いものの約5週間増えていない状況でした。この事実と評価を示しています。

「厚労省は3月6日に「新型コロナ・ウィルスの患者数が大幅に増えたときに備えた医療提供体制等の検討について」を発していましたが、その後も全く検査数が増えませんでした。ところが、オリンピック延期決定後に、極めて不十分ではありますが、検査件数がある程度増え始めています。」

第2段落:前記期間の間である3月6日に厚労省から各自治体の衛生主管部(局)あてに「新型コロナウイルスの患者数が大幅に増えたときに備えた医療提供体制等の検討について(依頼)」が発出されていました。

前記依頼は、ピーク時の外来受診患者数、入院治療が必要な患者数、重症者数を計算し、医療需要の目安とするとともに、今後国内で患者数が大幅に増えたときに、必要な医療が提供できるよう、各地域において、外来を担当する医療機関、入院病床や ICU 病床等の準備を進めるとともに、感染防御に必要な資材、人工呼吸器等医療機器の確保を進める等、医療提供体制の検討を求めるものでした。

すなわち、前記依頼後、検査件数を増やすべきところ、検査件数が増えていなかったという事実がある一方、オリンピック延期決定がされた3月24日後、検査件数がある程度増え始めたという事実と評価を示しています。

「あなたは、オリンピック開催の支障となるため、感染者数を低く抑えるために、検査件数を押さえていたのではありませんか。そうでないなら、どうしてこのような推移となったのか、合理的な理由を示していただきたいと思います。」

第3段落:第1段落と第2段落の事実と評価を前提に、小池都知事が検査件数を抑えていたのではないかを尋ねるものです。そして、その理由は感染者数を低く抑えるためではないか、さらに感染者数を低く抑える理由はオリンピック開催の支障とならないようにするためではないか、をそれぞれ尋ねるものです。一般論として、検査件数を増やせば感染者数が増える可能性があるので、もっともな質問です。そして、検査件数を抑えていたのではないとしたら、このような推移の合理的な理由を示すことを求めるものです。

#小池都知事は宇都宮さんの質問に答えてください